パイロットフィッシュ

平凡な日々、時々演劇。

劇団宇宙の森 2016本公演『公演を終えて』①

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舞台の本番が終わり、5日が経ちました。
本番前と本番後はいつも世界が違って見えます。
プレッシャーから解き放たれた開放感がそうさせてるのか。
まだ少し疲れは残ってますが、昨日からスポーツジム通いも再開し、徐々に日常を取り戻している感じがします。

さてさて、今年の公演を自分なりに振り返ってみようかなと思います。

まずはじめに

お客様へ。
この度は、劇団宇宙の森第21回公演「カラマーゾフのまちわびて」にご来場いただき、まことにありがとうございました。
天候が悪かったにもかかわらず、たくさんの方々が劇場に足を運んでくださり、本当に本当に感謝です。

そして、幕が無事に上がり、無事に幕が下りた。
そのことも演劇の神様に深く感謝したいと思います。

本番を終えてまず思ったこと

「やり切った!」というより、「自分の今のレベルではここまでしかできなった・・・」という気持ちでした。
あまりうまく言葉にできないんだけど、「もっと役も表現も広げれるはずなのに、今の自分から湧いてくるものに限りがあった」という感じです。
消化不良ではなく、力不足。

正直、今後お芝居を続けるべきか悩みました。

役について

今回の作品はドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」を元に作られていて、それでいうと三男アリョーシャに当たる役を演じました。
美青年(※Wikipedia参照)ということですが、僕はそもそも美青年ではなく、もうそれはどうしようもないので、そんな部分は即カットです(笑)

演出家からキャラクターについての指定はほぼなく、稽古序盤になぜか男子トイレで「明るくも暗くもなく安定もしてない感じで」と言われたぐらいです。
なので、稽古の中盤ぐらいで「キャラがどんどん暗くなっている」というダメ出しはあったものの、全体を通してみればとても自由に役を作らせてもらいました。

役を演じる上で内面的に意識したことは、「日々、心の平和を保ちたい」というエゴと、そのエゴが満たされない(父親は殺される、長男は誤認逮捕、次男は発狂、さらに戦争で人々は殺し合う)ことへの葛藤、です。
外面的には、他のキャラの癖が強かった分、無理に癖をつけないよう、自分の素に近い形(一番自分が自然に動ける形)で常に存在できるように気をつけました。

あと、ストーリーテラーのアシスタント的は役割をこなす部分があり、そこは自分自身愉しむことと芝居のテンポを落とさないことを意識して演じました。

台詞自体は少なかったので、その辺は楽をさせてもらいました(笑)

ひとり長台詞

芝居の最後に僕の役の長台詞がありました。
この長台詞で作品が終わる。
そう思うと、失敗できないというプレッシャーが本番が近づくにつれどんどん大きくなり、ホント逃げたくなった(笑)

稽古序盤では、この長台詞が全くうまくできなくて、自分はこんなにダメな役者だったんだと自分自身で驚いたぐらい。
稽古後の男子会で「長台詞ってどうやってやればいいんですか?」って演出家に直球で聞いたりしました(笑)
劇団の大先輩方と最近知り合ったプロの声優さんにアドバイスもらい、それを自分なりに消化して、本番では技術が足りない分感情で押し切り、ギリギリ成立させることはできたかなと思います。(まだまだ力不足は否めませんが、、、)

稽古全体を通して

今回はうちの劇団にしては珍しく男性がメインのお芝居でした。
台本が完成するのが遅く、稽古期間は例年より短かったですが、幸いにも今回の男性キャストはみんな稽古の出席率が高く、また演出家の段取りの良さも手伝ってか、稽古はとてもスムーズに進みました。
去年感じた稽古の進め方に関してのフラストレーションは全くなかったですね。
また稽古密度も濃く、全体的に細かいところまで詰めることができたと思います。



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